給与から天引き!手間なくお金が自然と貯まる「自動化」の仕組みづくり
なぜ貯蓄は「意識」ではなく「仕組み」に頼るべきなのか
「収入は増えているはずなのに、なぜか貯蓄が増えない」
このようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。将来のためにまとまったお金が必要になることは理解しているものの、日々の忙しさの中で意識的にお金を貯め続けるのは難しいと感じているのではないでしょうか。
私たちは、「よし、今月から貯めるぞ」と決意しても、つい目の前の誘惑に負けてしまったり、予期せぬ出費に対応したりしているうちに、結局月末には思ったほどお金が残っていない、という経験をしがちです。これは、私たちの意思力が決して強いわけではないからです。
ここで重要になるのが、「お金を貯める仕組み」を作ることです。ミニマリズムの考え方では、不要な選択や判断を減らすことで、本当に大切なことに集中できる状態を目指します。これはお金の管理にも応用できます。つまり、「お金を貯めるかどうか」という意思決定を日々行うのではなく、「勝手にお金が貯まる流れ」を一度作ってしまえば、意思力に頼らずとも自然と貯蓄が進むようになるのです。
手間をゼロに近づけるシンプル貯蓄のステップ
お金を自動的に貯める仕組みを作ることは、決して複雑なことではありません。以下のステップで、シンプルに実現することが可能です。
ステップ1:貯蓄の目的と目標額をシンプルに定める
まずは、何のためにお金を貯めるのか、そしていくら貯めたいのかを考えてみましょう。難しく考えすぎず、例えば「〇年後に生活防衛資金として〇〇万円」「将来の教育資金として毎月〇万円」といった具体的な目標を設定します。この目標があることで、自動化する金額を決めやすくなります。
ステップ2:貯蓄専用の口座を用意する
普段使いの口座とは別に、貯蓄専用の口座を用意します。この口座は、生活費の引き落としなどに使っているメインバンクとは別の金融機関にするなど、簡単には引き出せない工夫をするとより効果的です。これにより、「貯めたお金を使ってしまう」という物理的なハードルを作ることができます。ネット銀行の中には、目的別で貯蓄用フォルダを作成できる便利な機能を持つものもあります。
ステップ3:給与振込口座から貯蓄用口座へ「自動振替」を設定する
これが最も重要なステップです。給与が振り込まれたら、決めた貯蓄額を自動的に貯蓄用口座へ移す設定を行います。多くの金融機関では、毎月指定した日に指定した金額を他の口座に自動で移す「自動送金」や「自動振込」のサービスを提供しています。給与が振り込まれる数日後にこの自動振替が実行されるように設定すれば、手元にお金が残る前に、問答無用で貯蓄が実行されます。
この「自動化」こそが、意思力に頼らずにお金が貯まる仕組みの核となります。「残ったお金を貯蓄に回す」のではなく、「先に貯蓄に回し、残ったお金で生活する」という思考に自然と切り替わります。
ステップ4:支出も「自動化」の視点でシンプルに管理する
貯蓄の自動化と合わせて、支出管理もできる限りシンプルに自動化することを目指します。例えば、日常の支払いを特定のクレジットカードやQRコード決済にまとめ、家計簿アプリと連携させることで、意識せずとも支出の記録が自動的に行われるようになります。何にどれだけ使っているかが可視化されるため、無駄遣いの原因に気づきやすくなります。無理のない範囲で、手間のかかる手作業を減らす工夫を取り入れてみましょう。
作った仕組みは定期的に「シンプル」に見直す
一度自動化の仕組みを作ったら、基本的には放置で構いません。しかし、年に一度など定期的に(例えば確定申告の時期や年度初めなど、ご自身にとって区切りやすいタイミングで)、以下の点をシンプルに見直すことをお勧めします。
- 設定している自動振替額は、現在の収入や目標に対して適切か
- 貯蓄用口座の残高は順調に増えているか
- 設定した目標にブレはないか
この見直しも、複雑にする必要はありません。数字を確認し、必要であれば金額や目標を調整するだけです。
意思決定を減らし、自然と貯まる流れを作る
お金を貯めることを難しいと感じていた方も、ご紹介したような「自動化」の仕組みを取り入れることで、驚くほど楽に貯蓄が進むのを実感できるはずです。これは、お金に関する無駄な意思決定を減らし、シンプルに「貯まるのが当たり前」という流れを作るからです。
まずは給与からの自動振替設定から始めてみましょう。これは、将来への漠然とした不安を減らし、着実に資産を築いていくための最初の一歩であり、最も堅実な方法の一つです。手間をかけず、自然にお金が貯まる仕組みを手に入れてください。