収入増で手に入れる「お金」と「時間」のゆとり。価値を見極めるシンプル思考。
収入が増えても、なぜかゆとりが増えないと感じていませんか?
日々の仕事に追われ、ふと気づくと「あれ、収入は増えているはずなのに、思ったほど貯蓄が増えていないな」「忙しさは相変わらずで、心や時間にゆとりがないな」と感じることはないでしょうか。
ある程度のキャリアを積み、責任ある立場になるにつれて収入は増える傾向にありますが、それと同時に仕事量が増えたり、付き合いが増えたりして、支出もまた自然と増えていくことがあります。特に、日々の忙しさを解消するために、便利さや効率にお金を費やす機会が増えるかもしれません。
しかし、そうした支出が、本当に自分にとって価値あるものに繋がっているのか、立ち止まって考える時間は意外と少ないものです。私たちは、収入増を単に「使えるお金が増えた」と捉えがちですが、実は収入増は「お金」だけでなく「時間」に対する価値観を見直す絶好の機会でもあります。
お金で「時間」を買うという視点
私たちは日々の生活の中で、無意識のうちにお金と時間を交換しています。例えば、通勤時間を短縮するために駅に近い場所に住む、家事代行サービスを利用する、ネットスーパーで買い物を済ませる、タクシーに乗る、これらはすべて「お金を使って時間や労力を節約する」という行為です。
忙しい毎日の中で、お金を使って時間を生み出すことは、合理的な選択肢の一つです。しかし、こうした「時間をお金で買う」という行為も、漫然と行っていると、支出が増えるだけで、本当に欲しかった「ゆとり」や「価値ある時間」には繋がらない可能性があります。
本当に大切なのは、お金で時間を買うことの是非そのものではなく、「どのような時間」を「何のために」買っているのか、そしてそれが自分にとって「本当に価値あることなのか」を、シンプルに見極めることです。
あなたにとって「価値ある時間」とは何でしょうか?
お金を使って生み出した時間を、何に使うか。ここが、単なる支出増に終わるか、それとも人生の豊かさに繋がるかの分かれ道になります。
自分にとっての「価値ある時間」をシンプルに定義してみましょう。それは、もしかしたら家族とのんびり過ごす時間かもしれませんし、一人で趣味に没頭する時間かもしれません。あるいは、学びや自己成長のために使う時間、何もせずただ心と体を休める時間かもしれません。
この「価値ある時間」が明確になれば、お金を使って時間を生み出す行為の優先順位が見えてきます。「家事代行サービスで浮いた時間を使って、趣味の時間に充てられるなら価値がある」「通勤時間を短縮した分、睡眠時間を確保できるなら健康への投資として価値がある」といったように、判断基準がシンプルになります。
逆に、「なんとなく便利だから」「周りが使っているから」といった理由で、お金を使って時間を買った結果、その浮いた時間を無為に過ごしてしまっているなら、それは支出が増えただけで、真のゆとりには繋がっていないのかもしれません。
シンプルに考える「お金」と「時間」のバランス
収入が増えたからといって、すべてのお金を時間節約や便利さの追求に費やすのは、マネーミニマリズムの考え方とは異なります。将来のための貯蓄や資産形成も、長期的な安心を得るためには不可欠です。
シンプルに必要なのは、「時間のためのお金」と「将来のためのお金」のバランスを、自分にとって最適な形で取るという考え方です。
- 「価値ある時間」の定義: まず、自分にとって本当に大切な「時間」とは何かを具体的に考えてリストアップしてみましょう。
- 現在の時間の使い方とお金の使い方を把握: 日々の生活で、お金を使って時間を買っている場面があるか、その結果生まれた時間をどう使っているかを意識してみましょう。家計簿アプリなどを活用して、支出項目を見直すのも有効です。
- 「価値ある時間」のためにお金を使うか判断: 定義した「価値ある時間」を生み出す、または増やすために、お金を使うことが本当に効果的か、費用対効果をシンプルに考えて判断します。
- 将来のための貯蓄を確保: 時間のためにお金を使う分と、将来の大きな目標(マイホーム、教育費など)のための貯蓄分を明確に分け、先取り貯蓄などで仕組み化することを検討します。
まとめ:収入増を真のゆとりに繋げるために
収入が増えることは素晴らしいことですが、それが必ずしもそのまま幸福やゆとりに繋がるわけではありません。収入増を機に、ご自身にとっての「お金」と「時間」それぞれの価値をシンプルに見つめ直し、本当に価値あるものにお金を使うという意識を持つことが大切です。
時間をお金で買うという選択も、賢く活用すれば豊かな時間を生み出す手段となります。しかし、そのためには、自分自身の「価値ある時間」を明確に定義し、その基準に沿って支出を判断するというシンプル思考が必要です。
ぜひこの機会に、ご自身の時間の使い方とお金の使い方について、静かに考えてみる時間を持ってみてください。それが、単なる貯蓄増に留まらない、真の意味での「お金」と「時間」のゆとりを手に入れる第一歩となるでしょう。